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小さな冷たい手や 冬の日の髪の匂いも
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僕のいない朝はきっと素晴らしい世界。 あぁその通りだ。今まで出会った人も僕のことを忘れて、僕のやってきたことは何もなくなってそれでいい。何を期待しているんだろう。何を求めているんだろう。あやふやな感覚の中に何を見出せるというのか。 いつもそうやって、進めなくて、いや進む気なんてなくて勝手に時間だけが残酷なほど流れていく。見たくも無い姿を見せ、見たくも無い姿を見る。 感情なんて無ければこんな気持ちにさえならないのだ。こんな気持ちにさえ。 単車での帰り道、ぼろぼろ泣く。 勝手に涙が出るなんて何年ぶりなんだろう。街の光が生ぬるい空気で淀み、そしておぼろげな感覚を掴めないままいつもうなだれる。 本当は叫びたいのだ。 救って欲しいと、側にいて欲しいと。 生ぬるいぬくもりで眠らせて欲しいと。 それすら叶うことなく僕は消えてゆく。消えたい。 浅はかな夢で、僕は酔い続けていた。過去の自分は無かったことに。歳を重ねることは、間違いを何度も繰り返していくだけだ。絶対そうだ。何度も何度も。そんな自分に嫌気がさす。極論的に、惨めな思いをするならば、この世界に存在すること自体、拒んでしまう。 きっと誰も僕を救えない。救ってなど欲しくない。寂しさを埋め、楽しさを共有し、思考に新たなスパイスを効かせてくれるならそれでいい。 誰も信じない。誰も僕をわからない。 でもアイリス。信じて欲しいと望む。 でもアイリス。求めて欲しいと望む。 時々ぞっとするほど冷淡で、嘘つきな自分がいる。優しくも強くも信念もない。下らない理論をこうしてネットの波に流し続けている。 期待されたくないのに期待する。 知っている。一番消したいのは過去。知っている。一番奪いたいのはその未来。 アイリスが読んでいた小説を買ってみた。こっそり買ってみた。こんな感じに僕はアイリスに近づきたい。なんで買ったの?なんで近づきたい? こんな気持ちなんて明日にも分からなくなるかも知れないのに。あの時のように寂しさを紛らわせるためだけに…二年前の話なんてもうおぼろげで。 感情なんて持ちたくない。もう沢山!もう沢山!!!!! 都合よすぎるよ。僕は都合よすぎる。 子宮に連れて行って欲しい。 完璧な表現だ。 明日僕がいなかったらアイリスはどんな顔をするのかな。
何十枚もアイリスに手紙を書く。 僕はアイリスのことは、わからない。僕のことも分からない。僕が書きたいから手紙を書く。書いて書いて… でも言葉にした瞬間伝えたいことは消え去ってゆく。 そして本当に伝えたかったことや、わかりたかったことは決して言葉なんかには出来ないものなのだ。アイリスは僕の顔を撫でる。お腹を撫でる。しなやかな指先で。 僕はアイリスのぬくもりを感じる。匂いを感じる。 シナプスの繋ぎ目にしっかりと記憶して起きたいのだけれど、視覚情報で得られるものではないからいつもあやふやになってしまう。 繋いでおきたいのは未来? きっとこんな感情もいつかは忘れてしまうかもしれない。 それでいて大きな穴を作って、誰にも埋める事の出来ない大きな穴を開けてゆく。 覚えなくていい感情を覚え、どんどん穴が広がる。 アイリス、僕を消して欲しい。 アイリスと海へ出掛けた。瀬戸内海の須磨の海へ。 こんなに簡単に海に行けるなんて思わなかった。太陽の光を反射し、海は輝いていた。瀬戸内海独特の穏やかな海だった。 荒々しい日本海しか知らない僕にとって瀬戸内海の海はどうも違和感を覚えた。きっとその違和感は海にアイリスと一緒にいるからだ。それも関係している。 電車に揺られた。 電車で眠った。 目なんか覚めなくてもよかった。 このまま溶けてなくなれたら。そう願った。 夏がやってきた。どうしようもできない。 失っていくものが多すぎて、感情の移り変わりについて行けなくて。 包み込んで溶かして欲しかった。 書かない間に多くのことがあった。物理的にはささいなことでも心理的には大きく揺らいでいる。 実家に帰ったり、アイリスと一晩過ごしたりと、そんなことをしていると自分自身の気持ちの変化に付いて行けなくなることがある。 未来なんてわからないけど確実に未来を繋いでいかなくてはならない。それはやはり繋いで生きたい未来があるからなのだろう。 このブログを書かなかったが、小説、手記、手紙と書き物をすることは多かった。 自分の手で書くことでしっかりと何かを把握したかったのかもしれない。 明日はアイリスと守口市へ行って来る。 とても楽しみだ。 |
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